日本糖尿病協会 小児糖尿病サマーキャンプ

1967年から開催。日本糖尿病協会主催で、各都道府県の大学病院医局や大きな患者会が開催母体となる事が多いようです。
糖尿病を持つ小・中・高校生を対象に「小児糖尿病サマーキャンプ」を行い、子供たちが自然の中での集団生活を通じてインスリン自己注射や血糖自己測定など自己管理に必要な糖尿病の知識・技術を身につけるとともに、メンタルケアの場ともなっており、ともに励む仲間を作る場を提供しています。
今年度予定はほぼ終わっていますが、来年度以降も開催されるはずです。コロナの流行期は中止され、糖尿病学術集会中にバーチャルキャンプとしてWeb上でゲームをする催し物で代替されていた時期もありました。また、今年度の開催日数を見ていると、全体的に短くなっています。以前は4泊5日などが多く見られていたのですが、猛暑や感染症などの観点から少しだけ短縮化の傾向にあるのかもしれませんね。
糖尿病サマーキャンプの思い出
私も2019年夏に医師・ファシリテーターとしてキャンプに参加させて頂きました。私が参加した団体では長い間、内科医師が参加することはなかったようでしたが、事務局にお願いして参加させて頂く機会を得ました。受け入れて頂いた事務局の方々、誠に有難うございました。
日頃は診療しない小児の患者さん達なので、インスリン量の調整などで私自身戸惑うことも多々ありましたが、それ以上に非常に多くのことを学びました。糖尿病の教育入院や当直対応で分かっていたつもりになっていた病気や患者さんの生活のことも、キャンプという特別な時間ですが実生活で傍にいて生活すると大きなギャップがありました。
その会では最年少は5歳の子。インスリンポンプを利用している子も多かったです。体重も少ないのでちょっとした補食や運動で血糖が乱高下します。常に血糖のことを気にしながら生活しなくちゃならない大変さを短期間ながら身をもって体感しました。そうは言っても皆んな元気いっぱいのお年頃なので、灼熱の太陽の下で海水浴、カヌー漕ぎ、夜にはキャンプファイヤーと大はしゃぎでとても楽しかったです。私は身体をはって場を盛り上げたり、男子達とおふざけもしてたので、後からドッと疲れがきたのも楽しい思い出です。夜のお話会ではキャンプOBOGも参加して日頃抱えていることのぶっちゃけトークが行われ、学校生活や就活での悩み相談なども夜な夜な行われ盛り上がっていました。勿論、夜に低血糖で補食やインスリン調整が必要で起きてくる子もいるので、同伴医師の中で当直シフトを組んで交代で対応していました。

一言では表しづらいですが、一型糖尿病の療養生活の大変さを垣間見る一方でキャンプでのびのびと楽しんでいる子供達を見て、改めて糖尿病内科医として①1型糖尿病の特徴をもっと理解したい、②患者さんの生活や仕事に即した治療を③できるだけストレスの少ない形で提案したいと思うようになり、その後も勉強を重ねるモチベーションをもらいました。
一人でも多くの小児糖尿病患者さんが、また医療従事者・学校関係者の方々がキャンプに参加して体験を共にしてもらいたいです。 今後もサマーキャンプに関わって、些細なことでも力になりたいと考えています。

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