【記事】1型糖尿病のランナーが東京マラソンを完走 CGMとインスリンポンプを組み合わせたシステムでより活動的に

1型糖尿病のランナーが東京マラソンを完走 CGMとインスリンポンプを組み合わせたシステムでより活動的に

1型糖尿病を持つランナーが、持続血糖モニター(CGM)とインスリンポンプを組み合わせた管理システムを活用して東京マラソンを完走した体験を紹介しています。このシステムにより、血糖値のリアルタイム監視とインスリン投与の自動調整が可能となり、運動中の血糖コントロールが大幅に向上。結果、糖尿病を抱えながらも活動的な生活が実現できたことが強調されています。

持続血糖モニタリング(CGM)とインスリンポンプを組み合わせて、インスリン投与量をアルゴリズムにもとづき自動的に調整し、継続的に投与する新しい技術により、1型糖尿病の成人3人が、血糖値の管理がより改善し、より活動的な生活をおくれるようになった結果、フルマラソンを完走できるようになったと、チリ カトリック大学などが発表した。 研究は、スペインのマドリードで9月に開催された欧州糖尿病学会(EASD)で発表されたもの。

レース中も、良好な血糖コントロールを維持し、マラソンに取り組んだ時間の96%は血糖値が適正な範囲内におさまり、範囲を下回ったのはわずか4%で、範囲を超えた時間はなかった。血糖値の平均は107mg/dLで、成人に推奨される平均血糖値154mg/dL未満を大幅に下回った。 なお、低血糖を防ぐため、マラソン当日は朝食のインスリン投与量を25%減らし、血糖値をより適切に管理するため、レース前の軽食に適用するインスリン投与量も50%減らすなど、調整も行ったという。

「インスリン製剤や医療機器などは進歩しており、血糖値をモニターしインスリンを投与する治療は改善されています。しかし、マラソンのような長時間の有酸素トレーニングや競技中に、血糖値を目標範囲内に維持するのは容易ではありません」と、同大学で糖尿病代謝学を研究しているマリア オネット氏は言う。

1型糖尿病の方は、日常生活ですら血糖の乱高下で低血糖や高血糖に悩まされるものですが、ましてや長時間の運動、特にマラソンではかなり苦労すると聞きます。持続血糖モニター(CGM)とインスリンポンプを連動させたSAP(Sensor-Augmented Pump)療法の割合は、日本ではまだまだ低いです。普及している欧米で今回のような発表があったということは、欧米でも今までポンプ療法やSAP療法をしたまま長時間運動する試みはあまり上手くいってなかったということでしょうか。血糖を気にせずに運動などのやりたいことに集中できる。多くの1型糖尿病の方々にそんな生活がより普及すると良いですね。

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