減量に関する面白い記事、しかも面白い企業Google社での社内食堂の取り組みです。
社員の寿命を2年延ばす…グーグルが社員の健康のため〈ニューヨークオフィスの食堂〉に取り入れた“驚くほどシンプル”な工夫【行動経済学】
Google社の食に関するコンセプト
グーグルは、「食事はすべての基本だ」という考えのもと、社員に対する飲食物の提供に力を入れています。日本オフィスでも、豊富なメニューを取り揃えたランチが無料です。
「食事はすべての基本だ」とサラッと書かれていますが、とても大事なことだと思います。育児をしていれば、「このミルクで、この食事の連続でこんなに大きくなってきたんだ」と食が身体にもたらす影響を強く実感できる機会は少ないもので忘れがちですが、やっぱり大事ですよね、食事。
「食堂のレイアウトの工夫」で社員の寿命を2年延ばす
- 野菜をできるだけ目立つところに置き、リンゴやバナナなど体に良い食べ物を取りやすい中央に配置します。
- 逆に、デザートは目立たない場所に置きます。
- 色とりどりのチョコレートが詰まった透明なディスペンサーは、不透明で取りにくい容器に変えました。
結果はすぐさま出てきたようです。
・デザート一回分を小さいサイズとする
→ 菓子類によるカロリー摂取は9%低下
・小さい取り皿を選びやすくして、置き場に「大きなお皿を使う人ほど、よりたくさん食べる傾向があります」と表示
→小皿の利用率が1.5倍に上がり、全体の32%が小皿を利用するように
・甘いソーダ飲料を自由に取って飲める冷蔵庫がありましたが、その中でミネラルウォーターを取りやすい場所に、ソーダ飲料は取りにくい場所に移動しました。
→この配置移動だけで水の摂取量が47%増え、飲み物からのカロリー量は7%減りました。
①「仕組み」を少し変える、②やんわり「良い行動を示す」
既に日本の栄養相談などでも、ちょっとだけ仕組みを変える事で劇的な変化が得られることが提案されています。
・ご飯茶碗を小さい物に変える
・醤油はドバーっとかけるのでなくて、小皿に注いでそこから少し漬けるようにする
こういう昔あったTV番組「伊東家の食卓」の様な裏技集を集積、共有する試みがあれば面白そうですね。
これらはすべて、強制や命令をすることなく、暗に良い行動を示すという発想です。この方法は行動経済学における「ナッジ(nudge)」と呼ばれるものです。
仕組みを変えるだけでなく、やる人が知らぬ間に背中を押される動機付け。そこの所もしっかりと考えられていて凄いです。
一方で、カフェテリア禁止のテック企業も・・・
企業カフェテリアが禁止に?巨大テック企業従業員も困惑の事情とは (2018/11)
規制は2014年の議会通過以降に建つ企業オフィスが対象となり、従業員の食事の50%以上を供給してはならない
従業員が社内で無料で食事を摂れることから、オフィス周辺の飲食店のビジネスが成り立たず、オーナーたちから苦情の声が挙がったのだ。「市にあるビジネスが成功するようにしたかった」とマウンテンビューの市会議員を務めるJohn McAlister氏は語る。無料カフェテリアの存在は従業員からは人気だが、地域住民にとっては賛否両論の問題で、企業はもっと地域ビジネスとのつながりを考慮すべき、という主張だ。
原因は「地域に還元していない」
サンフランシスコ市で企業の無料カフェテリアが非難を受ける最大の理由は、マウンテンビュー市の例と同じく、テック企業が巨大オフィス内で自らのコミュニティを形成し、社員がその中にそこに留まることである。テック企業はこれまで高給料な仕事を作り出した一方で、周辺家賃の高騰や渋滞問題といった数々の社会問題の発端ともなった存在。サンフランシスコの住み難さの原因を作り出しておきながら、張本人たちは「テクノロジー宮殿」の壁の中で優雅に暮らしている、と地域住民や飲食店には映っているのだ。
無料で好きな物を好きなだけ好きな時に食べれるカフェテリア方式・・・夢のような制度ですが、視点をかえれば違った弊害も生まれているようで、世の中一筋縄ではいかないものです。


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